【特集】タイBLドラマ「シチュエーション・設定あるある」10選 〜 同居・サブカプ・忖度タイムまで徹底解説!

タイBLドラマを見始めると、どの作品にも「これ絶対見たことある!」という共通のパターンがたくさんあります。この記事では、そんな“タイBLあるある”を10個ピックアップ。名作ドラマの具体例とともに、タイドラマ特有の恋の描き方をまとめました。


突然、スポーツ飲料を飲む、リップを塗る、虫除けを塗る…。
視聴者なら一度は見たことがある“スポンサー商品の唐突な登場シーン”。これがタイBL名物の「忖度タイム」です。日本のドラマでも主人公がスポンサー企業の自動車に乗る、食品を食べるなどのシーンはときどき登場しますが、あくまでもドラマの流れの「自然さ」を重視してのもの。

しかしタイは、「えっ、今CM入った?」「こんなに強調していいの?」と心配になるほど、ガツンと商品を画面に捩じ込んできます。何なら少しエフェクトがかかってるんじゃないか、ということも。

たとえば「2gether The Series」(2020)のサッカーシーンでは、サラワッドや友人たちが休憩時間に「栄養補給だ!」とラベルを前面に振り向けながらペットボトル入りの飲料をがぶ飲み。「気分をリフレッシュ」のセリフやスローモーションも入り、突如CMが現れたような不思議な時間となります(8話参照)。でも、これが面白かったりします。


企業とのコラボが盛んなタイでは、このスポンサー露出が制作費を支える大事な要素。ファンにとっては“恒例行事”として愛される瞬間です。

忖度タイム、大好きです!タイBLを見続けていると、今回はどんな商品がどう捻じ込まれるのか、とむしろ楽しみになるのが不思議ですw


メインカップルだけじゃない!「サブカップル」天国

タイBLの魅力のひとつが、恋愛模様の多層構造。
メインカップル以外にも、友人同士・先輩後輩・ライバル同士など、複数の恋が同時進行します。

タイBLドラマの先駆け「SOTUS」(2016)では、メインカップル(CP)のコングポップ(Kongpob)とアーティット(Arthit)のほかにも、先輩後輩の微妙な関係性が描かれ、「2gether」(2020)や「Love By Chance」(2018)でもメインカップルの友人や兄弟で多数のサブカップルが登場しています。
視聴者の“推しカプ”が増えていくことで、作品のファンダムがより広がる構造になっています。
この“サブカプ文化”こそ、タイBLが群像劇的な深みを持つ理由のひとつです。

物語によってはサブカップルが多すぎると、ちょっと渋滞感が漂うこともありますが(個人評)、ドラマの宣伝のYouTube番組やSNSなどで出演者がみんなでわちゃわちゃしているのを見ると、作品全体に盛り上がりが出てサブカプの重要性を感じますよね。


じれじれ中盤「キス」

最初から恋愛モード全開にはならないのがタイBLの美学。
序盤はお互いを意識しつつもすれ違い、焦れ焦れとした時間が続きます。

そして多くの作品では、中盤あたりでようやく“運命のキス”が訪れます。
「Bad Buddy Series」(2021)では犬猿の仲だったパット(Pat)とプラン(Pran)が心を通わせた屋上での美しいキスシーンはファンの心を打ちました。

ゆっくり距離を縮める“じれじれ構成”は、感情の積み重ねを大切にするタイならではの演出です。もちろん、「TharnType」(2019)のように、開始数話であっという間に深い関係になるパターンもありますが、険悪→接近→軽い障壁→気持ちの確認→中盤で運命のキス、の流れが多くのタイBLドラマのあるあるになっています!


ひょんなことから「同居」する流れ、速すぎません?

雨宿り、寮のトラブル、ケガ、友人の紹介――きっかけはさまざま。
別のところに住んでいた二人が気持ちを確かめ合ったのち、「同居しよう」という流れになるのはタイBLの鉄板中の鉄板です。

「Together With Me」(2018)では、酔った勢いで始まった同居が予想外の恋に発展。
「My School President」(2020)でも、部活動の関係で家を行き来するうちに心の距離が縮まります。

同居設定が愛される理由は、“日常の中で自然に恋が深まる”リアリティ。
家事・食事・夜更かしトーク…ファンが想像を膨らませやすい展開が描きやすいからかもしれませんね。


王道すぎる性格ペア「ツンデレ×素直」

どんなジャンルにも欠かせない性格の対比。
タイBLでは「ツンデレ×素直」「クール×無邪気」の組み合わせが王道です。

「TharnType」(2019)では、心を閉ざしたタイプ(Type)と、タイプに積極的にアプローチを続けながら優しく包み込むターン(Tharn)の関係が物語の軸。
“ツンデレ”が徐々に心を開き、“素直”がそれを受け止める――この構図がファンの心をわしづかみにします。タイBLは、カップリング(通称:CP)の関係性を「攻め=右」「受け=左」とよく表現しますが、これも2人の性格の対比を明確に描く文化があるからかもしれませんね!

タイBLでは性別よりも「性格の相性」で恋が描かれる点が特徴的です。


舞台は大学、しかも「工学部」率高すぎ説

制服と学生生活はタイBLを象徴する要素。
特に大学を舞台にした作品が圧倒的に多く、なかでも男性比率高めの工学部は“恋が生まれる聖地”といわれています。

「SOTUS」(2016)や「My Engineer 〜華麗なる工学部〜」(2020)は、バリバリの工学部での日常を描いた作品。タイ大学の工学部なら(!?)ではの厳しい先輩後輩制度を通じて恋が芽生えていきます。学部独自のジャケットや儀式など、タイの大学文化をリアルに描くのも魅力です。

学生BLが多いのは、タイ社会で大学時代が“自立と初恋の象徴”だからともいわれています。

大学を舞台にしたBLは、主人公が白シャツ+長ズボン姿(タイは大学にも制服がある)が多いですが、シンプルな服装が俳優さんのスタイルの良さを引き立てています。また、主人公の弟役などでよく出てくる男子高校生の制服が、膝上のショートパンツなのも、日本からみると新鮮ですよね。


タイBLの三大イベント「雨・ケガ・熱」=恋のスイッチオン

恋が動き出す瞬間には、必ずと言っていいほど“きっかけイベント”が用意されています。

「Until We Meet Again 〜運命の赤い糸〜」(2019)では、雨のシーンが心の再生を象徴し、
「Theory of Love」(2019)では風邪をひいた相手を看病するシーンで関係が進展。「TharnType」(2019)も体調を崩したタイプをターンが献身的に世話したことで、タイプが過去に抱えていたトラウマをターンに話すきっかけができ、一気に距離が縮まりました。

雨・ケガ・熱などのシーンは、物理的な“距離の近さ”を生み出し、視聴者も一緒にドキドキできる重要な演出です。


もはや風物詩!? 「勘違い」と「すれ違い」で涙の別れ編

恋愛ドラマに欠かせないのが「誤解によるすれ違い」。
タイBLでも、誤解・嫉妬・第三者の介入などで一時的に別れてしまう、距離を置く展開が多く見られます。

「Love By Chance」(2020)や「Between Us」(2020)などでもこの流れは王道。
しかし終盤に近づくと誤解が解け、涙の再会&ハッピーエンドという定番パターンが待っています。タイBLはハッピーエンドが既定路線なのも安心してみられる要因かもしれません。

視聴者はこの「すれ違い→和解」を期待して見守るのです。


はい出ました!「恋のライバル」乱入で物語が急展開!

片思いのまま動けない主人公の背中を押すのが、“恋のライバル”の存在。

「Be My Favorite」(2023)では、時間を超えて現れたライバルが主人公の本音を引き出すきっかけに。「Dating Game〜口説いてもいいですか、ボス!?〜」(2025)でも、ビクター(Victor)演じる敏腕プログラマーのアート(Art)が中盤にヒール役として登場することで、マーチ(March)演じるヒル(Hill)のジュンジ(向井康二)に対する気持ちが明らかになっていく展開でした。


ライバルが登場することで、曖昧だった感情が明確になり、恋が一気に動き出します。タイBLでは、ライバルが男性のことも、女性のこともあります。性別は関係ありません。最近の日本ドラマではあまりみかけない、わかりやすい「嫉妬」のシーンが多いのもタイBLらしさですよね。

視聴者にとっても、嫉妬や焦燥を表情や細かい動きで演じる俳優の演技は見どころのひとつです。


最終話は夜の告白で幕を閉じる──愛の再確認に全国のファンが泣く

タイBLドラマのクライマックスといえば、夜の告白シーン
夕暮れや雨上がりの道、星が瞬くキャンパスやビルの屋上、波音が響く静かな海辺、学園祭のライブ会場など、ロマンチックなシチュエーションで行われます。王道なロマンチックさは平成初期の日本ドラマを見ているようで懐かしくもあります。

これまで何度もすれ違ったり、荒波を乗り越えてきた2人が、改めて本当の気持ちを伝え合うそのとき。多くの作品ではこの告白のシーンが夜に設定されています。

「SOTUS」(2016)ではキャンパスの階段で。
「My School President」(2023)ではコンサートの舞台裏で。
「Bad Buddy」(2021)では夜の屋上で。「Dating Game 〜口説いてもいいですか、ボス!?〜」(2025)も最初の告白は海辺、クライマックスは夜のマンションの屋上で。

どの作品も、ライトアップの演出と音楽が完璧なタイミングで重なり、
視聴者の涙腺を一瞬で崩壊させます。タイBLの告白シーンは、ただ「好き」と伝える場面ではなく、ここまで積み重ねてきた物語のすべてが報われる瞬間ですね。


「同居」「サブカプ」「すれ違い」など、タイBLには共通するパターンが多いですが、
作品ごとに描くキャラクターの感情の深さはまったく異なります。似た設定の中でも、それぞれのキャラクターの背景や心の動きを丁寧に描くことで、ファンは何度でも新しい恋(作品)にときめきますね。
“あるある”を知れば、次に観るタイBLがもっと楽しくなるはずです!

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